感情を表出すると、心配性は和らぐのか?(卒論から)

私が卒論で行った研究では、感情の表出と心配症傾向との関連は見られませんでした。

初めまして、いすずです。今回は、私が卒論で書いた内容を簡単に紹介します

 

私は、心配性を和らげるためには、感情を表出することは有効であるかどうか調べました。そのほかのストレスコーピングについても検討しましたが、今回は割愛します。

 

それぞれのストレスコーピングと心配性傾向は自己記入式の心理尺度によって測定し、ストレスコーピングを独立変数、心配性傾向を従属変数とする重回帰分析を行いました。その結果、感情表出と心配性傾向には関連がみられず、感情を他人に話すストレスコーピングを用いる人は、心配性傾向が低いとは言えないことがわかりました。

 

感想

カウンセリングでは、自分の感情をどんどん話すことによって、心配事が整理できたり、安心したりすることがあると思います。また、日常生活でも、自分の気持ちをどんどん話していくうちに心配や不安が和らいだ経験はあるのではないでしょうか

したがって、心配事で頭がいっぱいの時は、自分の感情を表に出すことは有効な時もあると思います。

しかし今回の研究では、「常日頃、感情を表に出すことをしているか」と、「常日頃、心配を感じているか」とは関連がみられないことがわかりました。この結果は個人的に面白いと思います。次は、実験的な研究で検討してみたいと思います。

また、今回の結果の考察は今後時間があれば紹介いたします。

 

追記:初めてブログ書きましたが、いかがでしたでしょうか。また、余裕があるときに、心理学について学んだこと、日常生活で感じたことなどを投稿しようかと思います。

 

今回はとくに文献から引用していませんが、参考文献として以下を上げさせていただきます。

Gross, J.J., & John, O. P., (2003). Individual Differences in Two Emotion Regulation Processes - Implications for affect, Relationships, and Well-being- Journal of Personality and Social Psychology, 85, 348-362.

樫村 正美・岩満優美 (2007). 感情抑制傾向尺度の作成の試み -尺度の開発と信頼性・妥当性の検討- 健康心理学研究, 20, 30-41.